月別アーカイブ: 2011年2月

高野文子「黄色い本/ジャック・チボーという名の友人」

takano

-SP-自分は高校3年生の頃、どんな風だったのだろうか。
-SP-つい昨日のことのようでもあり、遠い過去のことのようでもある高校3年生の頃。
-SP-地方(おそらく高野の出身地である新潟)の高校3年生の主人公・田家実地子は、フランス小説の大作「チボー家の人々」を夢中で読み続けている。物語は、 その彼女の家や学校での日常生活を縦糸に、小説の進行を横糸に、特にジャック・チボーという小説の登場人物を第二の主人公(注:詳しくは読んでください) として描いている。
-SP-実地子は、地元企業に就職することになっている。その前の、ほんのわずかの時間の物語なのだが、読んで感じたことは驚くほど濃い。
-SP-つい昨日のことのようでもあり、遠い過去のことのようでもある高校3年生の頃。
-SP-本を通して「理想」や「仲間」に共鳴したり、物語に心躍らせた経験をしたことがある人なら誰でも共感できるこの「黄色い本」。内容が濃くて、とても一言では語れません。
-SP-僕には、卒業を前にしたちょっと憂鬱な気分もよみがえって来た。ジャック・チボーのように手を振っているのは、あの頃の僕なのかも知れない。
-SP-高野は他に「棒がいっぽん」など単行本、文庫本すべてあります。読んで損はありません。というか、高野を知らずにいるのはとってももったいないです。ぜひ読んでみてください。

リズ・ストーリー(Liz Story) 「17 Seconds to Anywhere」

lizstory

-SP-一年以上、車の中で聴き続けた一枚。もちろん時折違うCDも聴いたが飽きる飽きないということを超えている一枚。
-SP-ウィンダム・ヒルと言えば20年以上前に車のCMなどでも流行ったジョージ・ウィンストンが思い出されるが、リズ・ストーリーは同じピアノながら何というかもっと“日常的”。「どこかの17秒」ってどういう意味だろうか?
-SP-6曲目が「17 Seconds to Anywhere」で、その前が「Out Of Time(時間の外)」。翻訳が違っているかも知れないが、この5~6曲のつながりとてもいい。
そして、京都のジャズバーで働いていた友人の女性カメラマンもお気に入りの最後の「Remember Me This Way」。
-SP-考えたことがなかったけど、色んなシーンがつづられたアルバムのような構成なんだな。ジャズ好きには物足りないかも知れないけど、BGMにも最適。本を読んだり、タイプしたりなど思考の起伏に寄り添うような音楽。
サラ・ブライトマンのツアーサポートもしたらしい女性ピアニスト「リズ・ストーリー」。あー、また聴きたくなってきた。

しりあがり寿「ファンタジー、おじさんをつつむ。」

shiriagari

-SP-この奇妙な名前の漫画家の存在は、10年近く前、NTTデータが主催して文学や音楽、社会時評など各界の前線にいる人たちが日替わりで日記をアップして いた「先見日記(2002-2008)」で金曜日に漫画ありの記事を書いていたのを読んで知った。下手な漫画だと思っていたが、話題のトピックを面白く、 かつ深くひねってあっけらかんと放り出すような文章は、徐々に気になっていった。宮藤官九郎監督「真夜中の弥次さん喜多さん(2005年)」の原作がしり あがりの作であるといえば、分かる人もいるのだろうか。
-SP-“おじさん”はウザイ。とっても、ウザイ。でも、笑えて、悲しくさびしい。
-SP-…ありきたりで申し訳ない。ともかく読んでみてください。
-SP-最後の「窓際のホモ・サピエンス」などは、聖書の一説だといわれても納得しそうな瞠目の「漫画」です。“文学を超えた”とも言われるしりあがり作品、爆笑あり、シュールありでどれも外れはありませんよ。ゴドーには現在5~6種あり(まだまだ増える予定)。

キャノンボール・アダレイ&ビル・エヴァンス 「Know what I mean? 」

billcanonball

天気のいい朝や、午後のひと時にかけたくなる明るい、澄み渡る音。
はじけるアルトサックスの音、ビー玉のようにその周りを転がるピアノの音。
夜にかける音楽ではない。
澄み切った青空には、時々雲が掛かる。
大体それは、ビル・エヴァンスだ。
ジャケットもアート。ブルーノートのようなスペクタクルな予感はないけど、まどろむ内省といった感じが大好き!