月別アーカイブ: 2012年6月

蛍の光 窓の雪

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-SP-昨日JR武生駅近くの線路脇の小川に蛍を見つけた。除草剤が撒かれた空家の裏庭の枯れた草の中にたった一匹の儚き光である。よくぞ生き延び微かな光を放ってくれたと、このホタルを手の中にそっと取り込み新しい草の中にはなした。

-SP-一昨日、6月17日の日曜日には仕事をSさんに丸投げして福井の県庁横の中央公園に大飯原発再稼働に抗議する集会とデモに出かけてきた。体力もないので 周りで見学していようと思っていたけれども、昔の血が騒いで、ひとつ間違えればデモの指揮をするところであった。あぶなかった。

-SP-集会は4000人近く集まり盛会であった。会場では最近個人的に気にかけていた人たちに何人にもお会いすることができ、福井まで朝から出かけてきてまさ に正解であった。なんの組織にも属さない人たちが、それぞれの想いで反原発集会に参加して来たわけで、市民運動としてはきわめてシンプルであるが息の長い 確かな手応えを感じた。又、なんのてらいもない地元の若者たちが、反原発への思いの歌をうたい、楽器を打ち鳴らしてデモをする様子は、なかなかユニークで 新しい可能性を秘めた運動に育つ予感がする。

-SP-このデモには首都経産省前にテントを設営し再稼働に抗議している人たちも、バス6台を連ねて参加されていた。また、福島から、浜岡からたくさんの人たち が福井県庁を包囲し抗議の意思表示を行なった。それにしても我が福井県議会は地元の経済効果や税収ばかりを問題にし大飯原発再稼働と長期的な原発の稼働ま で要請している。この情けないスタンスは100年くらい日本の人々の不愉快な記憶の中に残るであろう。残念なことである。

-SP-福井県は再生可能エネルギーを志向し、再稼働に反対する明確な県の方針を表明しえたなら、格調高い文化的な越前として、1000年の時を超えてこの列島 に存在感を示すことができた筈である。私たちは3月11日のフクシマの惨事とその後の国による放射能汚染情報の隠蔽を目の当たりにしてきた。福井県を悪井 県にしないためにも圧倒的多数である反原発を求める市民によって、西川知事や自らの主張も明確にしない地方自治体の金魚の糞のような議員たちをすべて落選 させるための運動を今すぐに準備しょう。

-SP-昨日、裏のドブ川で見かけた一匹のホタルの小さな光から人間の知恵を超える核を廃絶してゆこうという方向にまで話が膨らんでしまったが、これが果たして大言壮語にならないためにも現在を丁寧に生きてゆくことができたらと考えています。

By 店主

 

少名彦南瓜(すくなひこなんきん)

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-SP-そもそもこの奇妙な名称のなんきん「かぼちゃ」がどうして武生の人々の口の端に上り始めたのかというところからお話しよう。

-SP-平成弐拾四年六月、野田のどじょうと我が福井県の為政者たちが大飯原発の再稼働を画策している頃、わたしはひとり武生の西、高森陣屋跡の上手に鎮座する 少名彦神社の境内にいた。杜の木漏れ日と踏み固められた「けもの道」の細い参道から吹いてくる風はここちいいが、怒り天神の憤怒の前をゆっくり通り過ぎて ゆく。

-SP-その夜、いつもの居酒屋で少名彦神社の佇まいについて独り合点で語っていると、偶然隣の席に居合わせた種苗店のご主人が「すくなひこ!」と繰り返し、訳 ありげに話に割って入った。彼の言い分はこうである「飛騨高山の丹生川沿いにとれる宿儺かぼちゃ(すくなかぼちゃ)というかぼちゃがありましてね、まさか ご神体は「かぼちゃ」ですか。かぼちゃはカンボジアから渡来してきたんですよ。」と、ダジャレのような持論を語るのである。少し目線の高さが気になったが 未知の領域なので逆らわずに拝聴した。そして、彼はその南瓜がぼちゃの苗や種子がお店の在庫にあるというのである。

-SP-翌朝、かぼちゃの種子を買い求めに、かの種苗店へでかけた。そこで大きな植木鉢と八つ頭の新芽、そして目当ての少名彦南瓜の種子を10粒買い求めた。うれしいことに、その種子の入った袋は縦書きの和風パッケージで、なかなかの趣のあるものであった。

-SP-その日の午後いつものコーヒー店のカウンターでは三々五々集まってきた人たちで少名彦南瓜の話題で持ちきりになった。市場のYさんが苗を持ち込んだり、 神楽で武生に滞在しているSさんの友人で近江八幡からこられた美しい方も種子を植えたいと、例の種苗店へ買いにでかけたりで、少名彦南瓜の話題が絶えな かった。

-SP-はるか昔、近江や越前を移動する伊勢大神楽の人たちや、打刃物のかつぎ商いで奥州を旅する越前の人々が山に分け入り漆を掻き集めていた。彼らの手により良質な種子が各地に往来することを思うとなかなか感慨深いものがある。

-SP-高森にある少名彦神社のたたずまいがヘチマのようなすくな南瓜の栽培に話がすりかわってしまったが、原発の再稼働を画策する劣悪な政治家たちへの憤怒で 体調を壊さないようにするためにも、安全でおいしい食材を自ら育てるというスタイルでこの夏を乗り切ろうと思う。そして夏の終わり頃には織田町に住む藤沢 シェフに市内各地で育つであろうすくな南瓜を使って、おいしいシャーベットやプリンをぜひ作っていただこう。

By 店主